
福岡都心から地下鉄でつながる都市型空港「福岡空港」では、スタッフサイネージを導入し、スタッフへの情報共有をDX化。既読機能等を活用し、マネジメント業務の効率化を実現しています。導入の背景や具体的な効果について、ご担当者様にお話をうかがいました。
福岡国際空港株式会社は、空港運営事業・ビル施設事業等の事業を中心として 2018年7月に設立し、福岡空港の民間委託が2019年4月1日より開始されました。
2025年3月末のグランドオープンで国際線ターミナルが拡張され、免税店の面積は従来の4倍に拡大しました。販売スタッフは直雇用スタッフが約300名、レジ業務委託スタッフが約150名、メーカー派遣スタッフが約200名、総勢650名ほどで運営しています。
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| 免税店の様子 | ||
現在、タブレット型 5 台と 21 インチタッチパネルディスプレイ 3 台の、計 8 台を導入しています。免税店スタッフが事務作業を行う場所に 1 台、その他売場バックヤード 7 か所(酒・たばこ、到着店、化粧品(2 か所)、南北店、ファッション・ブティック)に端末を振り分け利用しています。
また、現在は直雇用販売スタッフ 300 名が利用していますが、ゆくゆくはメーカー派遣スタッフにも利用してもらう想定をしており、そのアカウント登録まで完了している状態です。
メーカー派遣スタッフには、直雇用スタッフと同様に運用ルールや周知事項を理解していただく必要があるものの、直雇用でないことや業務時間にばらつきがあること等から、一堂に会することが難しく、紙の回覧板を活用していました。回覧板での周知事項の伝達は時間がかかるため、認知の時差が発生していましたが、今後はスタッフサイネージが情報共有の一助になると期待しています。
主に以下の業務で利用しています。
所属部署からの周知、ルール変更のお知らせをはじめ、空港として重要な保安ルール徹底や注意喚起など、全スタッフに確実に伝える必要がある情報を配信しています。
業務マニュアルや研修資料、緊急連絡先等、いつでも速やかに閲覧できるよう資料を格納しています。
社内研修等が度々実施され、受講対象者も様々であるため、アンケート機能を利用し対象者毎に受講希望日の調整や受講完了日の取りまとめを行い、担当部署に報告等を行っています。
個人書類や人事関連書類の受け取りなどを個別の「To Do」として配信しお知らせすることで、指示を出しています。
適正な勤怠管理実現のために、更衣室での勤怠システムによる打刻に加え、売場でスタッフサイネージによる打刻で 2 段階管理を行っています。
※スタッフサイネージには、各スタッフの出退勤状況を一覧で確認できる「ステータス表示機能」があります。
スタッフ自身がタッチパネルでステータスを切り替えると、その時刻が自動で記録される仕組みです。
本機能は本来、情報共有の補助として設計されたものですが、現場のニーズに応じて「簡易的な出退勤の把握」にもご活用頂いている一例です。

タブレット型スタッフサイネージ
現在、売場責任者が中心となってお知らせや周知事項を配信しています。受信文書やPDF をそのまま貼り付けて配信することで、配信までの手間と時間を短縮しタイムリーな情報配信ができます。
スタッフの採用・退職が毎月一定数ありますが、アカウント追加・削除を各売場社員が対応し、効率的なアカウント管理を行っています。また、販促キャンペーン情報の発信や作業依頼等の情報共有について、積極的にスタッフサイネージを活用するよう促進しています。
福岡空港免税店は、4勤2休のシフト制で、航空機の始発から最終便までの時間を見出し3
など、全スタッフに確実に伝えなければならない重要な情報が多くあります。従来の情報共有手段としては、社員向けのメールや昼礼での口頭説明、休憩室への掲示を併用していましたが、メールアドレスを持たない契約社員や派遣社員への周知に課題を感じていました。
また、2024年3月末のリニューアルを迎えるにあたり、販売スタッフを短期間で150%に増員する計画が持ち上がり、効率的な情報共有手段の確保が急務となりました。
他社で導入されているスマートフォンアプリなど、いくつか調査しましたが、次のような懸念があり、採用に至りませんでした。
ほとんどのアプリがアカウントごとの課金制であり、スタッフの入れ替わりが頻繁な当社ではアカウントの管理が難しく、コスト的にも現実的ではありませんでした。
社用スマートフォンは全員には配布できないことや、個人スマートフォンでは管理上の問題があることから、みんなで見られる形態のツールが良いと考えていました。
最も大きな課題は、もしもアプリを個人スマートフォンに導入し勤務時間外にアプリで情報確認した場合に「業務時間にあたるのでは」という労務問題が発生する可能性でした。そのため、会社の中だけで情報確認が完結できる仕組みが必要でした。
大阪で開催されたリテールテックでスタッフサイネージを知りました。リテールテックでは他のアプリなどもいくつか見ましたが、どれも決め手がありませんでした。そんな中、スタッフサイネージは見た瞬間に斬新さに目を引かれました。仕様を伺ったところ、スタッフ数の多い現場向きと感じ、まさにイメージ通りの製品でした。
トライアル時は、様々な機能に対しての活用案や問合せが多く集まりました。また、情報配信に関しては、個別にメール等の手段を持たない契約社員や派遣社員の既読率が高く、活用の手ごたえを感じました。
当社が想定する利用シーンおよび用途に合致していました。
空港という業態の特性上、保安ルールなど重要な情報を確実に、またタイムリーに対象スタッフに伝える必要があり、期限付きでの周知要請も多いため、確実性と効率性を両立できる。
スマートフォン等の個人端末が不要で、所属や属性に応じた適切な情報配信ができ、だれでも分かりやすいシンプルな操作性である。
紙媒体では確認状況が分からなかったものが、誰が見て誰が見ていないかが明確になり、未読者への個別対応も可能になり、確実な情報共有の確認ができる。
比較検討した他のソリューションと比べ、圧倒的に低コストで、スタッフの増減に伴う料金変更もなく煩雑さが少ない。
導入後に、次のような効果を感じています。
スタッフサイネージの既読機能で既読率の確認ができるようになり、情報伝達の確実性が向上しました。既読が付いていない人には、声かけし確認を促すことで、情報伝達の徹底に一役買っています。早期の既読率が 100%の人も増えており、情報確認、理解の促進を実感しています。
また、情報配信の履歴や既読を確認ができることで、どの対象者に「言った」「言ってない」や、人によって情報を「聞いた」「聞いていない」ということもなくなりました。

スタッフ一覧画面で既読状況
従来、所属ごとに 100 人規模での昼礼を行っていましたが、新店舗では場所の問題もあり、一堂に会することが難しくなりました。そのため、コーナーごとに分散した昼礼を行うことになりましたが、拠点が多く昼礼開催者が複数人のため、伝達事項を抜け漏れなく口頭で伝える難しさがでてきました。そこで、概要を口頭で伝え詳細はスタッフサイネージで確認してもらうことで情報共有の精度が上がり、より効率的にマネジメントできるようになりました。
以前から全社でプリント枚数の削減に取り組んでおり、特にカラープリントは高コストのため削減が要請されていました。どうしても写真や色付きで作成せざるを得ないマニュアルがスタッフサイネージに格納でき、印刷が削減できました。また、勤怠管理記録の活用により、毎月配布していた 300 人分のタイムカードが不要になり、その準備や配布の手間がなくなりました。
おすすめ機能は、カテゴリ分けによる配信です。配信先を「社員」「直雇用」のカテゴリや「個人宛」に設定でき、「伝えたい人」に「伝えたい内容」を確実に配信できるため、不要な情報の中に必要な情報が埋もれてしまうこともありません。
また、当社は、多様な国籍や幅広い年齢層のスタッフが多いため、操作がシンプルで分かりやすい点は、高く評価できると思います。
スタッフ数を多く抱え、全スタッフに漏れなく均等に情報の周知を行う必要があるという共通の課題を持っている他部門でも、多くの効果が期待できると思います。
業態を問わず、新しい活用方法が知れるユーザーボイスやバージョンアップによる機能追加などを引き続き教えていただければありがたいです。
興味はある一方で、使いこなせていないスタッフもまだまだ多いので、操作方法のレクチャーを積極的に行い、様々なシーンで活用できるよう利用促進を行って参ります。
福岡国際空港株式会社様
リテール本部 免税事業部 セールス1課長 ディルズ 和美 氏