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未来の農業を担う、植物工場の挑戦。
バイテックベジタブルファクトリーの展望

レスターグループは多様な事業展開とパートナーとの共創を通じ、社会課題の解決を推し進めています。その1つが、国内有数の規模を誇る植物工場事業を展開し、SDGs(持続可能な開発目標)にもつながるバイテックベジタブルファクトリーの挑戦です。事業内容と今求められている、新しい野菜づくりの形を話します。

天候の影響を受けず、安定供給、無農薬。工場野菜のメリット

バイテックベジタブルファクトリーは、農業従事者の高齢化による労働力不足、食料の安定供給といった社会的な課題に対して、エレクトロニクスを活用した新しい野菜づくりに取り組み、課題解決の糸口となること、また、食品業界という新しいマーケットへの挑戦として、2015年に設立されました。

2016年に当社第1号となる植物工場が稼働し、2018年までに全国で5工場、研究施設1カ所が稼働。リーフレタスを中心とした工場野菜の生産と販売を行い、植物工場産としては国内有数の供給規模を実現しています。

全国の工場

植物工場の野菜は「露地栽培」と異なり、LEDライトや蛍光灯などを照射する「水耕栽培」で植物を育てます。

植物工場の野菜には様々なメリットがあります。まず、天候の影響を受けないこと、また季節を問わず通年で安定生産ができること。それから、光や温度、栄養分など、植物に最適な環境を整えて生育スピードを加速させ、露地栽培に比べて、短期間で収穫できることが挙げられます。完全閉鎖型の生産環境のため、農薬が不要で、安全・安心であることも大きな特長です。

工場内での作業の様子

スーパーマーケット(小売用)から業務用まで幅広いラインナップ

フリルレタス
私達は、スーパーマーケットでお客様に直接商品を手に取っていただく個包装販売と、コンビニエンスストア等で販売される、サラダやサンドイッチなどの「中食(なかしょく)」に使われる業務用販売の葉物野菜をつくっています。植物工場の野菜は農薬や土などが付着しないため、安心してご使用いただけます。特に、業務用の食品加工現場では、野菜に付着した汚れを取るために洗浄する工程を大幅に削減することが可能となり、安全・安心に加えてお客様の生産効率を高めることにもつながり、大変重宝されています。

グリーンリーフグリーンリーフ
”安定生産”を実現する為に、私達が心掛けているのは常日頃の「品質管理」です。お客様から求められる衛生基準を徹底して工場に取り込み、試行錯誤しながら、安定した品質を確保する生産体制を構築しました。その体制の構築には、大変な努力が必要でした。現在、すべての工場でGAP(Good Agricultural Practices:農業生産工程管理)認証を取得し、高い品質を保つ努力を続けています。

フリルレタスフリルレタス
また、野菜や工場内の衛生状態を常に把握するため、すべての工場で衛生管理チェックの検査室を完備。安定した品質を確保するための検査体制をとても大切にしています。自社の検査精度の正確性は、コントロールサーベイ(第三者検査機関による検査精度評価)により、保証されています。

ロメインレタスロメインレタス
他には、異物混入が発生しないよう、工場で働くスタッフは作業エリアに入るまでに複数回の入念な衛生チェックを行います。工場出荷商品の検品作業はもちろんの事、金属検出機で安全を確認した商品だけを出荷します。品質管理を徹底するために一つ一つ野菜と向き合っています。

植物工場のさらなる広がり。新しい農業による、地域への貢献

農業全体にまで視野を広げると、世界的に注目されているSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みにおいて、食料の安定確保、持続可能な農業の推進という大きな課題があります。食料危機への対応まで考えると、将来的には、植物工場事業においてもより多彩な品種の栽培が求められるようになります。

それから、少子高齢化による農業人口の減少、食料自給率の低下といった、日本の農業が抱える悩みにも貢献すること、また、当社の植物工場を地元の方達が運営する、フランチャイズ化の計画も進行中です。地域の雇用活性化に植物工場が貢献することを目標としています。

エレクトロニクスの技術を活かす、未来の農業の可能性

こうした課題に応えるためには、技術的にもさらなるチャレンジが求められます。当社は設立時から、グループ内のエレクトロニクス技術の活用と、様々な企業との協力で量産技術を確立してきました。

植物工場の野菜は、単純に露地栽培の真似をするのではなく、人工の環境で育つのに適した栽培方法を研究し、改善を重ねていくことが大切です。さらに、植物工場でしか作れない「新しい野菜」を生み出すのも将来目標です。現在でも、技術的には栄養価が高いサプリメントのような野菜を作ることもできるようになりました。

国内外の企業や研究機関、自治体と広く連携を図り、技術革新を続けると同時に、常に新しいマーケットを創造し、発展していくことを目指しています。