気候変動や天然資源の枯渇、生物多様性の喪失といった環境問題が深刻化する中、持続可能な社会の実現に向けた対応は、グローバルな喫緊の課題となっています。特に、企業の事業活動における脱炭素化やサプライチェーン全体での環境負荷低減の重要性が増しており、各国政府や国際機関による規制強化や、企業への取り組みの要請も強まっています。エレクトロニクス業界においては、製品のライフサイクル全体を見据えた環境負荷の低減、再生可能エネルギーの活用、サーキュラーエコノミーの推進等が課題となっており、当社としても、「エレクトロニクスの情報プラットフォーマー」としてサプライチェーンの中核を担う立場から、これらグローバル問題への取り組みが重要な課題事項であると認識しています。
このような認識のもと、当社は、「地球環境の保全・改善が、真に持続可能な社会を実現していくうえでの人類共通の最重要課題であることを認識し、経営上の優先課題の一つとして、企業活動のあらゆる側面において限りある資源を有効活用し、継続的な環境パフォーマンスの改善を図ることで、社会の発展と地球環境の保全・改善に貢献いたします。」を環境方針における基本理念とし、これに基づく具体的な取り組みの方針として、下記の「行動指針」を策定しています。
当社は、行動規範においても「社会の一員として事業活動や社会貢献活動を通じて、環境問題への取り組みを積極的に推進 する」ことを基本姿勢として定めています。様々な事業間シナジーを生み出しながら、地域創生への取り組みやエネルギー・食料 問題等に代表される世界的な環境問題の解決に寄与することで、より豊かで、将来に永続する地球環境づくりに貢献すること を目指しています。これらを実現するためには、社員一人ひとりが行動規範に基づく行動を遵守し、お取引先や地域社会など多様なステークホルダーの皆さまと連携しながら課題解決に取り組みます。
経営理念や行動規範をはじめ、サステナビリティ基本方針や環境方針でも掲げている環境に関する事項を実践するため、当社はISO14001規格に準拠した環境マネジメントシステム(以下「EMS」という)を構築しています。2025年3月時点においては、当社及び一部の国内グループ会社を含む 8社 37拠点※1を対象として、ISO14001規格の包括認証※2を取得しています。当社トップマネジメント直轄のもと、各社・各部署の環境推進担当者をメンバーとした「環境管理推進委員会」を原則四半期毎に開催し、組織横断的にEMSの活動状況やベストプラクティスの共有、サステナビリティに関する情報発信を行っています。
また、内部監査(年1回)及びマネジメントレビュー(年1回及び必要に応じて)を実施することで、環境関連法規の遵守状況やEMS全体の有効性を確認しています。万が一、環境に関する外部からの問い合わせや緊急事態が発生した場合には、当委員会を介し迅速な意思決定及び対応が可能な体制を構築しています。
なお、本事業年度までにおいて、環境に重大な影響を与える緊急事態や法令違反、罰金・違約金等は発生していません。

| 認証規格 | ISO14001:2015 |
| 認証機関 | SGS ジャパン株式会社 |
| 登録証番号 | JP09/070622 (JAB), JP07/070088 (UKAS) |
| 初回登録日 | 2007 年 1 月 10 日 |
| 有効期限 | 2024 年 4 月 1 日~2027 年 3 月 26 日 |
| 包括認証グループ会社 | (株)レスターエンベデッドソリューションズ、 (株)レスターデバイス、 (株)PALTEK、カードサービス(株)、 (株)レスターソリューションサポート、 (株)共信コミュニケーションズ四国、 (株)バイテックベジタブルファクトリー |
当社は、気候変動問題をサステナビリティ経営の最重要課題の一つと捉え、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。国際的な枠組みである「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に基づき、当社の事業が気候変動から直接受ける影響に加え、顧客やサプライチェーンを通じた間接的なリスク・機会も網羅的に特定し、その影響度を定性的に分析・評価しました。あわせて、脱炭素化の推進、省エネルギー活動といった環境方針に基づく取り組みを強化し、持続可能な経営体制の構築に努めています。今後は、識別したリスクと機会に対応するため、具体的なアクションプランの策定・活動を行い、さらなる環境負荷の低減・改善によって持続可能な社会の実現を目指します。
| リスクの分類 | リスクへの主な対応策 | 想定される事業・財務影響 | ||
| 1.5℃・2℃シナリオ※3 | 4℃シナリオ※3 | |||
| 移行リスク | 政策及び規制 | Scope1,2に係るCO2排出削減の取り組み推進 | 大 | 中 |
| 市場 | 低炭素商材の調達力向上 | 大 | 中 | |
| 技術 | 新技術・環境対応製品・サービスの開発推進と販売の強化 | 中 | 小 | |
| 評判 | DX推進などにおける業務効率改善による調達コスト削減 | 大 | 中 | |
| 物理的リスク | 急性 | サプライチェーン管理強化並びに対応力の向上 | 中 | 小 |
| 慢性 | 発電効率の向上 | 中 | 小 | |
| 機会の分類 | 主な機会 | 想定される事業・財務影響 | |
| 1.5℃・2℃シナリオ※3 | 4℃シナリオ※3 | ||
| 評判 | 優れた企業との評価を受けることによる時価総額の向上 | 大 | 中 |
| 資源の効率 | ADAS(先進運転支援システム)や自動運転等の電装化の進展に伴う市場機会の拡大など | 中 | 中 |
| エネルギー源 | 再生可能エネルギー等への支援政策による売上拡大機会の増加など | 中 | 中 |
| 製品及びサービス | エネルギー効率(省エネ等、省電力)の高い製品・サービスの提供による売上の拡大など | 中 | 中 |
| レジリエンス(回復力) | 地域インフラ(スマートシティ等)や災害時への対応を通じた製品・サービスの売上の拡大 | 中 | 中 |
当社はメガソーラー発電を中心とした再生可能エネルギー分野の事業を営み、世界規模の社会課題として重要度が増す「環境・エ ネルギー問題」に対し、脱炭素社会・持続可能な分散型社会※4による、災害に強い持続可能な社会の実現を目指しています。現在、国内の太陽光発電所83ヵ所、並びに台湾の太陽光発電所94ヵ所を保有(2025年3月末現在)しており、今後もさらなる敷設拡大を予定しています。また、2023年にはPPA(電力販売契約)サービ スの提供を開始しました。地球環境における社会課題の解決に向 けた再生可能エネルギーの普及を通じて、脱炭素社会への貢献に取り組んでいきます。

愛媛県吉海港第1 太陽光発電所
当社のグループ会社であるV-Powerは、電力コンサルティングによる総合エネルギーのマネジメントの事業等を行っています。V-Powerは、プロバスケットボールBリーグB1所属の群馬クレインサンダーズの本拠地であるOPEN HOUSE ARENA OTA(群馬県太田市総合体育館)で開催する試合において、使用する電気に非化石証書※5を用いてカーボンフリー化する取り組みを実施しました。この事例のように、V-Powerを含むレスターグループは、パートナー企業・自治体と一体となって脱炭素の取り組みを加速するとともに、社会の発展を目指します。

V-Power によるカーボンフリー化の取り組みイメージ
当社は熊本県人吉市において、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)として当社最大規模となる18MWの発電所を2024年2月に設置しました。同年秋からは、発電設備下のスペースを活用し、蜜源植物の栽培と養蜂に取り組んでいます。これまで当社では、遊休農地を活用したシキミやさつまいも等の栽培を通じて、ソーラーシェアリングのノウハウを培ってきました。その知見を活かし、蜜源植物を導入することで、地域における生物多様性の保全や、花粉媒介昆虫の生息環境の創出を目指しています。現地の運営は、農地保有適格法人である当社子会社・株式会社バイテックアグリパワー(本社:熊本県人吉市)が担っており、地域と連携しながら取り組みを進めています。再生可能エネルギーの導入による脱炭素化にとどまらず、耕作放棄地の再生や生態系の保全、地域経済の活性化など、多面的な価値の創出を目指しています。
今後も、再生可能エネルギーの推進と地域創生、生物多様性保全の三位一体による持続可能な地域づくりに取り組んでまいります。

太陽光パネルと施設下にて栽培中の蜜源植物(ヘアリーベッチ)

養蜂の様子
近年、世界的な水ストレスの高まりが課題となっています。このような事業環境下において、当社もその重要性を深く認識するとともに、持続可能な社会の実現に向けた水資源の保全を目指しています。現在は、全社的な水資源の利用状況の可視化や、水リスクの高い事業拠点の特定・分析等を課題とし、より実効性のある水資源の保全施策の実施検討へ向けた管理体制の構築を推進しています。
なお、水質・水量に関する各種法令及び基準等への不適合や罰則金等は発生していません。
環境関連法規に基づく適正な廃棄物処理の遵守を基本としつつ、持続可能な資源利用に向けた取り組みを推進しています。オフィスにおける廃棄物の適正な分別推進の他、環境マネジメントシステムを活用することで、売上・在庫管理の適正化による廃棄ロス防止・低減や、電子化推進に伴うペーパーレス化・業務効率化といった、事業活動との関連性を意識した目標管理も実施されています。今後も、さらなる排出削減及び3R(リユース・リデュース・リサイクル)による循環型社会の実現に向けた取り組みを進めます。
事業活動における環境負荷のさらなる低減を重要な課題と認識し、汚染防止に配慮した取り組みを推進しています。特に製品含有化学物質に関しては、RoHS指令(欧州の有害物質使用制限指令における規制)やREACH規則(欧州の化学物質管理における法規制)をはじめとする各国の環境関連法規制を遵守するとともに、お取引先の皆さまとの連携により、グリーン調達基準に則った調達活動を推進しています。これにより、サプライチェーン全体での環境負荷の低減に努めています。今後、さらなる環境リスク低減に向けた取り組みを強化するとともに、新たな法規制や業界基準にも柔軟に対応できる管理体制の構築を進めていきます。